猫の腎障害

腎障害の猫ちゃんが続けて2頭来院されました。

来院時は2頭ともに、腎臓は全く尿を作ることのできない無尿状態でした。急性腎障害からの無尿と慢性腎障害からの無尿期と異なる病態ではありました。

家族の方の祈るような気持ちが伝わったように、数日後に2頭とも排尿し始めてくれました。

数日にわたり深夜にまですべき処置は取った結果ともいえますが、当院でも実施可能な腹膜透析、当院未導入の血液透析などするべきか難しい判断でした。

無事に2頭とも退院できましたが今回のようにすべての無尿状態の腎障害の子を、お家で食事が可能な状態にしてあげられるよう追求したいと思います。

内科

猫の膀胱結石

血尿で来院した猫ちゃん。

診察の結果は、膀胱結石でした。

手術方法は極細内視鏡使用の膀胱結石摘出術(腹腔鏡補助下膀胱結石摘出)です。

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ギザギザした痛そうな結石がたくさんとれました。

内視鏡でのぞいた様子です。

 

 

 

 

ずっとトイレでの様子がおかしかったようです。おうちに来た当初からそのような感じでしたとのこと。

術前は性格もおとなしくジャンプしたり走り回ることも無かったようです。

先日手術を行い、本日ホテルで来院された際に、すごく元気で走り回ってジャンプしていますと家族の方が驚かれて笑顔いっぱいでした。

私もうれしいです。

外科, 腹腔鏡手術

腹腔内巨大腫瘤

おしっこの様子が変だと来院されたワンちゃん。

診察すると様子がおかしいようです。

お腹の中、脾臓に大きな腫瘤ができています。

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脾臓の出血を起こしているような腫瘍の摘出では、通常の術前検査は当たり前ですが、

特に出血をコントロールできるのかをチェックするために、血小板数や凝固時間(PT、APTTなど)の確認はとても重要になってきます。

この検査などがおろそかであれば、出血をコントロールできず大変な事態が容易に想像されます。

手術は癒着が激しく腫瘍も自壊し出血を起こしていましたが、手早く手術を終わらせて本日無事に退院されていきました。

がんばりましたね。

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大きい腫瘤でした。

当院では脾臓などの確認には、定期的なエコー検査を含む検診の重要性をお伝えしていきたいと思います。

 

外科, 腫瘍

外耳道内異物

本日の昼間の手術時間は、3頭の猟犬の外耳道内異物の芒(のぎ)の摘出を外耳道用内視鏡(オトスコープ)を用いておこないました。なかなかタフな昼時間でした。

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猟に出かけるとたくさんの芒(のぎ)が耳の中に入ってしまうようで猟のシーズンになると依頼を受けます。

通常の外来での耳処置では鼓膜の奥の芒(のぎ)までは取り除けませんので、麻酔下で正確、丁寧な処置が求められます。

猟は来月15日までほぼ毎日いかれるようで、何か良い予防法、対策はないものか考えてしまいます。

山や自然の多いところに行かれる場合は注意が必要かと思います。

 

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皮膚科, 耳科

腹腔鏡下避妊手術

痛みや負担が少ない手術を目指しています。

たとえば避妊手術の方法では、通常の開腹手術と腹腔鏡でおこなう避妊手術から選択できます。

当院での腹腔鏡下の避妊手術の実績数が2015年内に、100件を超えていたようです。

全ての手術を術者、助手、麻酔医、外回り係と同じ固定メンバーで行った結果、

手術時間の大幅な短縮、術中所見のスタッフ間での共有などメリットがものすごくありました。

大きな合併症もなく症例を積み重ねることができたのは、スタッフのアシストあってのものだと思っています。

今後も改善点を見つけ、さらに負担の少ない方法を追及したいと思います。

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腹腔鏡手術

小型犬の橈尺骨骨折

犬の超小型犬のトイ種(トイプードル、チワワ、ポメラニアンなど)やイタリアングレーハウンドは、橈尺骨骨折を起こしてしまうことがあります。

高いところからの飛び降り、抱っこしていて落としてしまうなどで骨折してしまうことが多いです。

これらの犬種の骨折治療は難しく、治癒するまでにはわんちゃんと飼い主さんへの制約や負担も大きいです。

避けられたであろう事故も多いので十分注意してあげてほしいです。

川田波平

この子は手術、安静期間も頑張ってくれていました。

本日、元気にトリミングに来ていただいていました。

整形外科

2016年1月

明けましておめでうございます。

今年もどうぞよろしくお願いします。

4日から診療開始しております。

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ブログ

ごあいさつ

本年の診療は先ほど終了しました。

今年も当院をご利用いただきまして大変ありがとうございました。来年も皆様の大切なご家族の力になれるように、向上心を持って勤勉に努めたいと思います。

またスタッフの皆にもいつも力になってくれてありがとうございました。年末は特にバタバタしましたが、外来・手術・入院・トリミングと力を合わせて頑張ってくれました。感謝しています。

来年もよろしくどうぞお願いします。良いお年をお迎えください。

三宅

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ブログ, 未分類

犬の胃拡張・胃捻転症候群

胃拡張・胃捻転症候群は、胃が膨れあがり、ねじれ(捻転)を起こし、急激に全身状態が悪化する病態です。

お腹が膨れ、吐こうとしているのに吐けない、呼吸が苦しそうといった症状が現れ、そしてショックをおこし、救急救命状態となります。

胸の深い大型犬やダックスなどに比較的多く経験されます。

予防は食事を1回に大量に食べさせず、食事回数を日に2〜3回にして1回の食事量を少なくします。食後や水を沢山飲んだ後は、しばらく休息させるようにしましょう。

先日夜間救急オペを実施したわんちゃんですが、本日無事に元気に退院予定です。頑張ってくれました。

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診断時のレントゲン画像です。お腹がガスや胃液などでパンパンになりねじれています。

外科

術中体温管理

当院では、現状に満足することなく、よりワンちゃんネコちゃんたちと家族の方々の
役に立てるよう日々勉強し、同時に設備を充実させていくことを目指しています。

今回は、術中体温管理製品3M社のベアハガーをご紹介します。

全身麻酔下の動物は、手術後1時間で1~2℃以上低体温になります。体重の小さい5kg未満の小型犬、猫ちゃんでは、特に体温低下が顕著に起こりやすいです。

手術中の低体温は、感染、凝固障害、筋弛緩遷延のリスクとなり、術後の回復が遅くなります。つまり麻酔のリスクが高まります。
従って、人間の手術では手術中は36度以上を保つように管理することが推奨されているようです。

img様々な保温器具がありますが、効果が低くほぼ体温が上がらなかったり、低温やけどのリスクがあったりします。

全身麻酔の負担を減らす目的の一つとして当院で導入している保温装置ベアハガーは、小児用の手術室にも使われている医療機器です。

本体から発生した温風がホースを通って細かい吹き出し口が無数に開いたブランケットに送り込まれます。ベアハガーの名前の通り、熊に抱擁されているように暖かい空気に包まれるやさしい保温装置です。

これからの寒い季節には、このブランケットの上で眠りたくなるような心地よさがあります。

 

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