胆嚢粘液瘤

胆嚢粘液瘤とは

犬の胆嚢という肝臓についている袋(さらさらとした消化液をためる)がゼリー状の物体で満たされ、

最悪の場合には破裂する、もしくは胆道がつまるなど生命に関わる可能性のある病気です。

当院では中年齢以降のわんちゃんでおこなった腹部エコー検査を含めた定期健診で発見されることが多いです。

健康診断で発見された場合は、わんちゃんの状態はとても元気で問題がないというケースも多いですが、問題発生を防ぐために事前に胆嚢を取ってしまう予防的手術を選択肢に提示しています。

先月参加したセミナーでイギリスの外科専門医の講師も症状が出てからの手術は救命率が下がりますので、症状がない時に胆のう摘出手術をすることをすすめておりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

画像は摘出した胆嚢。緑色のゼリー状物体で満たされています。

外科

椎間板ヘルニア

今日の神戸も冷え込んでいますね。

寒くなると椎間板ヘルニアの発生が増える気がします。

本日の夜オペは椎間板ヘルニアでした。

この病気の予防は難しいですね。

急性に発症します。今回は家族の方のフットワークが軽く、すぐにMRI検査を受けてきてくださったおかげで迅速な対応ができました。手術は無事終わりましたのでリハビリ含めて頑張りましょう。画像はマヒを起こす原因となった椎間板物質です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

外科

猫の肉腫

 先日2頭の猫ちゃんが、体に何かできているとのことで来院されました。

触診、細胞診、レントゲン検査などで悪性腫瘍を疑い手術となりました。

大きな手術は、ねこちゃんはもちろん家族の方の心も痛みます。

しかし皮膚のイボを取るのと腫瘍外科は大きく手術方法が異なりますので、可能な限り痛みを取る鎮痛、麻酔を考えています。

今回の2頭の猫ちゃんは大きく切ることが必要な手術でしたが、術後の経過がとても良く、食欲や元気がありました。

全ての子の手術で術後に食事をとってくれて、面会や退院時に安心しましたと言っていただけるような病院を目指しています。

5264_10161_20141106123439.05276_10633_20141130112306.0

腫瘍

歯石除去

ときどき患者さんから耳にする『動物病院でない(獣医師ではない)所で歯石を取ってもらっていたんだけど・・・・・』と歯周炎がかなり進行し来院されるケースがあります。

どうやら無麻酔で歯がきれいになるといううたい文句らしいのです。

無麻酔でやるには力で頭や口を抑えながら無理やり口を開かなければなりませんでしょうし、鋭利な器具でエナメル質をガタガタに傷つけてしまうでしょうし、歯茎は器具にあたり出血も起こしてしまうでしょう。

とても動物愛護的な方法ではありません。

 

動物病院で歯科処置をする方法には麻酔が必要です。恐怖・痛みを無くし、処置の精度を高めるためです。

麻酔をかけると意識がないので恐怖心がない、歯周炎を起こしているので更なる痛みを感じにくいようにできる、安全に歯間や歯肉周囲の処置が早くできる、処置後に口を恐怖や痛みのあるまま触られていないのでホームケアでの歯磨きに移行しやすい。というメリットがあります。

また目に見えている大きな歯石だけを除去することは歯周炎の治療に全くなりません。歯と歯の間、歯周ポケットという大事な場所のケアをするのが一番の目的であり達成されなければなりません。しかしこれを安全に素早く痛みが無いようにするためには麻酔が必要です。

麻酔が必要ありませんよと不適切な方法をすすめて歯周炎を悪化させていては本末転倒です。

歯石除去をシャンプーなどと同列にコマーシャルするのはいかがなものでしょうか?

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

写真はシャンプーと同時に歯石を無麻酔でとってもらっていた3歳のワンちゃん。

すでに重度の歯周炎をおこし、歯を支える組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨)が腐ってしまい、歯がぐらぐらしています。口に何か当たるとキャンと鳴くということで来院されました。全身麻酔下で歯間・歯周ポケットのスケーリング処置、歯茎再生成分の注入をおこないました。それでも歯周炎の改善がなければ顎骨保護や歯周病関連で起こる内臓疾患を防ぐために抜歯が必要となります。

歯科

外傷による骨折

整形外科症例が続きました。

当院の犬での骨折の患者さんは、小型犬でほぼ前肢の橈尺骨の骨折です。

今回の小型犬のワンちゃんは悲惨な事故での骨折で、前肢の上腕骨の骨折でした。

とてもかわいそうな事故でした。

骨折は手術が終わっても骨がつくまでは治っていませんので、動物や家族の方や執刀した獣医師の心配やストレスはしばらく続きます。

がんばりましょう!

5269_10429_20141116185936.05269_10461_20141117162149.0

整形外科

前十字靭帯断裂

前十字靭帯断裂は年齢を重ねてきた中年齢以降のワンちゃんにおこりやすいです。

膝蓋骨脱臼(膝の関節がゆるい)がもともとあったり、肥満しすぎたり、スポーツドックに多い印象です。

当院では人工材料を使った関節外法という手術方法を行っております。

最近膝の手術を行う場合は、関節鏡で関節内の観察を行うこともはじめました。関節炎の程度や靭帯、半月板の様子を観察していきたいと思っています。これから関節鏡の診断精度を上げていきます。

STILL IMAGE

整形外科

猫の骨盤骨折

ねこちゃんの完全室内飼育が一般的になっておりますが、時折交通事故での来院があります。

車が無い世の中であれば外飼いも考えられるかもしれませんが、

他にも中毒・ウイルス感染・ケンカなど怖いことはありますのでやはりお勧めはできませんね。

骨盤骨折で問題になるひとつが便の通り道が細くなることでうまく排便ができなくなる、その結果生活の質が著しく低下します。

便の通り道を確保するべく手術します。

術後に排便はうまくいっているようで大きな便が出ていますと本日ご報告を受けました。

   術前           術後

5265_10239_20141109122711.0

5265_10243_20141109160844.0

整形外科

肝臓の生検検査

私が腹腔鏡を導入した理由のひとつには、腹腔内生検検査(一部の組織をとって検査をすること)を負担が少なく実施できることにあります。

たとえば健康診断の血液検査で肝酵素上昇があり内科治療を行っていたが改善が認められない場合は、腹腔鏡下での肝生検がしっかりとした診断治療のためには重要になることがあります。

肝臓の生検検査をするためには、通常の開腹下ではかなり大きな切開(お腹の上からおへその下まで)が必要です。

しかし腹腔鏡下の肝生検では、5mmの傷2か所、または3mmの傷1か所と5mmの傷1か所の計2か所と低侵襲に済みます。

この違いは相当に大きいです。

ただでさえ麻酔をかけて検査することに抵抗があるのに、さらに大きな切開が必要となると獣医師サイドも躊躇してしまいます。

腹腔鏡によって肝生検を実施したことにより、適切な治療を行えるようになる。

なんとなくの肝臓の治療を受けていることでの心配を取り除け、適切な治療方針に舵をとれる。

心配な点がありましたらご相談ください。

STILL IMAGE

 

写真のように近くまで寄って観察したり、お腹全体が観察できたりなどと通常の開腹より情報量も多く得られます。

 

 

 

 

 

STILL IMAGE

腹腔鏡手術

小型犬と猫の腹腔鏡下避妊手術

当院の患者さんの多くは地域がらか小型犬のわんちゃんで、猫ちゃんの来院が多いのも特徴かと思います。そして当院で腹腔鏡下避妊手術を受けられる方の多くも、わんちゃんでは1㎏~3㎏小型犬そして猫ちゃんです。

腹腔鏡手術の導入を検討していた時に、1~2kg台の小型犬と猫は小さいので手術しにくい(難しいのでやらない)との話を聞いておりました。しかし当院の患者さんの多くが手術対象ではないのであれば、腹腔鏡を導入する意味がありません。こういう話は反対にモチベーションが高くなります。腹腔鏡下避妊手術を、犬・猫・体重に関係なく行っております。特に猫・小型犬向けに3mmトロッカーを導入してからは、3mmの傷が2か所と5mmの傷が1か所でおこなえておりますのでさらに傷も小さく痛みが少ない手術がおこなえております。手術日当日に帰宅し食事がとれることもストレスが少ないので良いことですね。

また腹腔鏡の手術は手術時間がとても長くなるとの話もありますが、技術は日々の鍛練と学習により向上します。避妊手術に関しては開腹手術時と変わらない時間(切皮から縫合終了まで30分前後)でおこなっております。

今の手技が完璧だとは思っていませんので、麻酔法・痛みの管理・手術法については全て次の段階へ進めるように常に改善していかなければなりません。こういった改善が他の腫瘍外科や整形外科などの技術向上に役立ったりすることもあって当たり前かもしれませんがすべて繋がっていると思い興味深いです。

人の医療では腹腔鏡手術が低侵襲であること(からだにやさしい手術であること)を証明する論文はすでに発表されなくなってひさしいようです。このことは人医療で腹腔鏡手術が低侵襲であることは常識となったことを意味します。獣医師が推奨する方法は様々かもしれませんが、主観的な意見より客観的なデータは冷静な議論の材料となります。ただ当院のスタッフは現場で見ていて主観的にやさしい手術だと感じています。

当院の避妊手術方法は従来からの開腹手術と腹腔鏡手術のどちらにするかしっかりとご説明させていただき、そして相談し納得してどちらかを選んでいただければと思っております 😛

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

上は大型犬用の5mmの長い鉗子

真中は中型犬用5mm鉗子

下は猫・小型犬用3mm鉗子

腹腔鏡手術

ジャーキーとガムの危険性について

今晩はセミナー参加の予定でしたが、午後の外来で食道にジャーキーが詰まってしまったワンちゃんが来院しましたのでそちらの処置をしていました。

小型犬の食道にガムやジャーキーが詰まってしまう事が良くありますので、私はジャーキー反対派です。

おいしそうに食べますし喜んでもらえるのでなかなか受け入れがたいと思いますが、問題の多いトリーツだと思われます。

ジャーキーががっしり食道に詰まり時間が経過すると食道炎をおこします。食道炎から食道狭窄という物が通らない状態になる可能性があり非常に危険です。

本日のワンちゃんも右側の画像のように食道炎を起こしていました。今後も十分注意が必要です。(左側は鉗子でガムを砕いています)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA OLYMPUS DIGITAL CAMERA

消化器内視鏡