小型犬と猫の腹腔鏡下避妊手術

当院の患者さんの多くは地域がらか小型犬のわんちゃんで、猫ちゃんの来院が多いのも特徴かと思います。そして当院で腹腔鏡下避妊手術を受けられる方の多くも、わんちゃんでは1㎏~3㎏小型犬そして猫ちゃんです。

腹腔鏡手術の導入を検討していた時に、1~2kg台の小型犬と猫は小さいので手術しにくい(難しいのでやらない)との話を聞いておりました。しかし当院の患者さんの多くが手術対象ではないのであれば、腹腔鏡を導入する意味がありません。こういう話は反対にモチベーションが高くなります。腹腔鏡下避妊手術を、犬・猫・体重に関係なく行っております。特に猫・小型犬向けに3mmトロッカーを導入してからは、3mmの傷が2か所と5mmの傷が1か所でおこなえておりますのでさらに傷も小さく痛みが少ない手術がおこなえております。手術日当日に帰宅し食事がとれることもストレスが少ないので良いことですね。

また腹腔鏡の手術は手術時間がとても長くなるとの話もありますが、技術は日々の鍛練と学習により向上します。避妊手術に関しては開腹手術時と変わらない時間(切皮から縫合終了まで30分前後)でおこなっております。

今の手技が完璧だとは思っていませんので、麻酔法・痛みの管理・手術法については全て次の段階へ進めるように常に改善していかなければなりません。こういった改善が他の腫瘍外科や整形外科などの技術向上に役立ったりすることもあって当たり前かもしれませんがすべて繋がっていると思い興味深いです。

人の医療では腹腔鏡手術が低侵襲であること(からだにやさしい手術であること)を証明する論文はすでに発表されなくなってひさしいようです。このことは人医療で腹腔鏡手術が低侵襲であることは常識となったことを意味します。獣医師が推奨する方法は様々かもしれませんが、主観的な意見より客観的なデータは冷静な議論の材料となります。ただ当院のスタッフは現場で見ていて主観的にやさしい手術だと感じています。

当院の避妊手術方法は従来からの開腹手術と腹腔鏡手術のどちらにするかしっかりとご説明させていただき、そして相談し納得してどちらかを選んでいただければと思っております 😛

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上は大型犬用の5mmの長い鉗子

真中は中型犬用5mm鉗子

下は猫・小型犬用3mm鉗子

腹腔鏡手術