私が腹腔鏡を導入した理由のひとつには、腹腔内生検検査(一部の組織をとって検査をすること)を負担が少なく実施できることにあります。
たとえば健康診断の血液検査で肝酵素上昇があり内科治療を行っていたが改善が認められない場合は、腹腔鏡下での肝生検がしっかりとした診断治療のためには重要になることがあります。
肝臓の生検検査をするためには、通常の開腹下ではかなり大きな切開(お腹の上からおへその下まで)が必要です。
しかし腹腔鏡下の肝生検では、5mmの傷2か所、または3mmの傷1か所と5mmの傷1か所の計2か所と低侵襲に済みます。
この違いは相当に大きいです。
ただでさえ麻酔をかけて検査することに抵抗があるのに、さらに大きな切開が必要となると獣医師サイドも躊躇してしまいます。
腹腔鏡によって肝生検を実施したことにより、適切な治療を行えるようになる。
なんとなくの肝臓の治療を受けていることでの心配を取り除け、適切な治療方針に舵をとれる。
心配な点がありましたらご相談ください。
写真のように近くまで寄って観察したり、お腹全体が観察できたりなどと通常の開腹より情報量も多く得られます。