猫の糖尿病

今日はねこちゃんの糖尿病についてお話します。

糖尿病は血液中のブトウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。血糖値は1日の間に上がったり、下がったりしています。血糖値が高くなっても、その値を下げてくれるのがインスリンです。

このインスリンの働きが悪くなれば、血糖値は下がらなくなり、糖尿病になってしまうわけです。

インスリンが足りていないようであれば、インスリンの注射が必要になります。

ねこちゃんは興奮すると血糖値が高くなってしまいます。そのため糖尿病の診断に苦慮することもあります。

そして治療にインスリンのお注射を必要としない場合やインスリンのお注射が途中から必要でなくなることもありますので治療も難しいことがあります。

一方わんちゃんの糖尿病の診断は容易です。そしてほぼ100%インスリン注射が必要な糖尿病のタイプです。

インスリン注射の治療が主でなく、食事や飲み薬で治療可能かもしれない糖尿病は、太目のねこちゃんであることが多いです。

ヒトと同じように猫も肥満が糖尿病の危険因子であります。

肥満になるとこのインスリンの働きが阻害されます。そのため、肥満は糖尿病の原因となります。

見た目がかわいいからと太らせいてはいけません。初めはインスリンが必要なくても結果的に生涯のインスリン治療が必要になることがあります。

糖尿病で怖いものの一つは、尿の中にケトン体というものが出ている糖尿病性ケトアシドーシスという状態になった場合です。

これになるときは、糖尿病のほかにもうひとつ病気を持っています。やせていて食欲も無いことが多いです。

早急に、熱心な入院治療を施さなければ亡くなってしまいます。

当院にも糖尿病性ケトアシドーシスから抜け出して、インスリンのお注射を自宅で毎日家族の方にうたれている子がいます。

通常お注射はねこちゃんも嫌がります。

しかしなぜか糖尿病の子が家族の方に注射される場合は、じっーと嫌がりもせず受け入れていることが多いです。

お互いが信頼しあい、元気でいられるように。

そんな情景が診察をしていると思い浮かびます。

こんな家族を支えるために頑張ろうと、多少嫌なことがあっても思えてきます。

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