犬の潜在精巣

今回はわんちゃんの男の子に時々みられる潜在精巣についてお話します。

去勢をしていない男の子は、精巣の位置を確認してみてください。

精巣が2つ触れれば問題はないですが、1つしか触らない、あるいは一つも触らない場合には潜在精巣が疑われます。

◎潜在精巣(陰睾)

これは精巣(たま)が陰嚢(ふくろ)に入っていない状態をいいます。

正確には、精巣は生後まもなくしてお腹の中から鼠径管(そけいかん)を通り、陰嚢に収まります。

しかし遺伝的な影響などで陰嚢内に降りてこない精巣を潜在精巣または陰睾といいます。

◎潜在精巣は精巣腫瘍になりやすい

潜在精巣は正常(外に出てぶら下がっている)と比較して、常に体温により温められた高温状態にあり、腫瘍化しやすいといわれています。

陰嚢内に収まった精巣に比べ、皮膚の下やお腹の中に残ってしまった精巣の腫瘍発生率はそれぞれ約5倍、10倍に高くなっています。

特にお腹の中では、精巣の形や大きさが外見からはまったく分からないため、腫瘍が進行して巨大になるまで見つからないこともあります。

◎潜在精巣は遺伝する

潜在精巣は遺伝するものであることがわかっています。

ですから繁殖には使わないで下さい。 繁殖することで、遺伝情報が子供たち受け継がれてしまいます。子孫が潜在精巣になり、気づかれずに腫瘍になっていては大変です。

潜在精巣は、去勢手術時に外科的に摘出します。

腫瘍化しているかどうかは、見た目ではわかりません。

大きさや硬さで疑うことはできますが、病理検査に出す必要があります。

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