今回は猫白血病ウイルス感染症(FeLV)と猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)についてお話します。
◆猫白血病ウイルス感染症(FeLV)は感染しているネコちゃんとの密接な接触によってうつります。感染の危険度は年齢や生活様式によって異なりますが、感染猫との同居、あるいは外でのケンカで感染します。
FeLVに感染すると、はじめは一見健康そうに見えますが、次第に元気がなくなってきます。免疫力が低下するので口内炎、胃腸炎、鼻炎などがなかなか治らず、またリンパ腫や白血病など致命的な病気を伴い最後は亡くなってしまいます。
◆猫免疫不全ウイルス感染症はエイズ症状と似ているために猫エイズとも呼ばれています。感染しているネコちゃんとのケンカで噛まれたりすることでうつる事が多いです。
FIVに感染するとこちらもはじめは元気そうに見えますが、次第に元気が無くなっていきます。免疫力が低下するのであらゆる感染症に抵抗できなくなり、口内炎、胃腸炎、鼻炎などがなかなか治らず、感染末期には人間のエイズのような症状が現れ、最後には亡くなってしまいます。
◆治療
FeLVとFIVともに現時点で有効な治療法がなく、感染したことがわかった場合には発症をおくらせる管理や症状に応じた治療をしていくことになります。
◆予防
FeLVには以前からワクチンがありました。FIVに関しても日本でのワクチン接種が8月から可能になりました。
ともに一度感染し発症すると、治すことができない病気です。お外に出る子で予防を受けている子が多くなれば、感染するネコちゃんの数が減っていきます。お外に出ている子やすでに感染している子と同居している子を守るためには是非予防を考えてください。