先天的な異常で、本来は陰嚢に入らなくてはいけない精巣が腹腔内または鼠径部で停滞してしまうことがあります。
これを潜在精巣といいます。
陰嚢内にない精巣は精子を作ることができません。
今回のワンちゃん、右精巣はお腹の中、左精巣はソ径の皮膚の下にありました。
ですから繁殖することはできません。
正常な位置にない精巣は、将来腫瘍になる確率が約10倍高いデータなどから、今回の手術を決断されました。
お腹の中に精巣がある場合は、腫瘍化しても気づきにくいため早期の摘出をお勧めいたします。
体重2㎏の小さなワンちゃんですが
右精巣は腹腔鏡下潜在精巣摘出で2か所の5㎜の傷、左精巣はソ径部皮下精巣で5㎜の切開と小さな傷で手術ができました。