皮膚の腫瘍

今日は皮膚の腫瘍についてお話します。

先日あるワンちゃんの皮膚の腫瘍を手術しまして,

病理検査の結果が返って来ました。

この子の出来物は左後ろ足のヒザに近い部分の皮膚に最初は4センチ大のものでした。

家族の方のお話では1年~2年前ぐらいからあったと思うけど、大きくなっているし、舐めて出血しているとのことで来院されました。

この時には、出来物が何であるかの検査(細胞診)や手術についての簡単な説明をしましたが、

13歳という年齢から家族の方はあまり積極的な方法を望まれませんでした。

検査もとりあえずは『考えます』との事でした。

身体検査から心雑音が出てきているので、『手術を行うには心機能に心配がある』との事と

『出来物はこのまま無くなることもなく、徐々に大きくなり化膿したり出血することを繰り返すので十分に相談していきましょう』と話し合いました。

それから二ヶ月ほどして

やっぱり大きくなっているし(6センチ大)、出血もするし、

本人も気にして舐めるとのことで再度来院されました。ガクリ

心雑音は6段階の4番目、細胞診検査では皮脂腺上皮種というものを疑い、

血液検査ではとくに異常は無く、胸部レントゲン検査では心拡大が認められました。

ですが、あまり手術時間が長くならなければ手術可能と判断しました。

家族の方とは、

・このままでは治らない。これからずっと出血・化膿を繰り返す。

・基本的には良性腫瘍だが、一部悪性腫瘍のように転移する可能性がある。

・心臓が悪いから全身麻酔をかけることは健常な子よりもリスクが高い。13歳だから手術が出来ないわけではない。

ということを何度か繰り返しお話しました。

このまま毎日包帯交換を繰り返していく本人の生活・家族の方の生活を思うと手術はベストですが、

リスクがあるので難しい選択だったと思います。

結果手術は無事に終わり、翌日には食事も普通にとることが出来ました。好

病理検査の結果も細胞診と同じでありましたが、

転移を示唆するものはとりあえずは出ていませんでしたので良かったです。

皮膚の腫瘍は、例え良性であっても大きくなって出血したり、歩きにくくなったりなどが出てくることもあります。

小さいうちに手術をしたほうが早く、楽にすみます。

しかし今回のワンちゃんの様に年齢を重ねた子は、

何か病気を持っていることもあるので手術するにあたって注意が必要です。汗

腫瘍

6月ですね。熱中症について

今日は、熱中症についてお話します。

気温が上がって、湿度が高まり、空気の流れが悪いと熱中症を起こしやすくなります。

ワンちゃんは汗を出す腺が少ないので、ヒトのように汗をかいて体温を調節するのではなく、呼吸の回数を増やして体温を調節します。

鼻が短い短頭種(シーズー・パグ・フレンチブル・ペキニーズ・・・)は呼吸機能に問題がある子が多いのでより注意が必要ですね。

風の通りがよく、涼しくて、日光が避けられて、水分が十分にとれる環境づくりを心がけてください。

車の中でお神戸セントラル動物病院通信留守番をさせたり、炎天下の中の散歩は決してさせないでください。足の裏もやけどします。

写真のお花は、近くに住む祖母から開院1年のお祝いでいただきました。

早いものですね。ダッシュ

初心を忘れず丁寧な診療を心がけていきます。

病気について