貧血/輸血

今日は貧血と輸血についてお話します。

一言で貧血といっても、原因は様々です。

身体検査から判断付くこともあれば、血液検査など検査を細かく行っても診断が出しにくい事もあります。

なにが疑わしいのかをしぼっていく過程で、

血液を染色液で染めて顕微鏡で観察する検査がとても大事になってきます。

たとえば溶血性貧血をおこすバベシア感染症は、

血液診だけで診断が下せることもありますが、診断が難しいときは遺伝子検査で確認がとれるようになってきました。

重度の貧血になっている場合は、輸血が必要になります。

しかし、動物医療には公な血液バンクに当たるものはありません。

多くの動物病院の先生は、何とか血液を工面するために自分の家の子にお願いしたりしているのが現状だとおもいます。

家の子の血液が適合検査に合わなければ走りまわったり協力しあったりしていますが、むずかしいことも多いです。

当院も手鞠ちゃんにお願いして、状態が悪い子に元気をわけてもらっています。

ただし、ドナー(提供者)の健康を考えて、頻繁に献血してもらうことはできません。

そして手鞠に輸血が必要になったらどうしよう・・・と考えてしまいます。

神戸セントラル動物病院通信
病気について

歯周病にならないために

きょうは、歯周病についてお話します。

最近、重度歯周病の子たちの治療が続きました。

この治療には全身麻酔が伴います。

将来麻酔をかけないようにするには、日頃の歯みがきが大事です。

食事の後に歯みがきをしないで放置すると歯垢になります。

そして歯垢が歯石に変わるのはワンちゃんではたった3~5日しかかかりません。

当院で診させてもらっている子で、歯みがきをしてもらっている子をみるとうれしくなります。

歯石になってしまうと歯磨きではとれません。

しかしあきらめてしまうより、これ以上付かないようにするのも大事ですね。

口をさわることを嫌がったりする子もいます。

最初はお口を触る練習から始めたり、歯磨きガムやデンタルジェルをつけるだけなどいろいろ方法があります。

少しづつ、嫌がられないようにはじめてみませんか。 神戸セントラル動物病院通信

歯が真っ黒なもの(歯石)に覆われています。歯肉から出血もしています。

病気について

お盆の診療についてのお知らせ

夏休みに入りました。

暑いですね。散歩は路面の温度も気にしてみましょうね。

お盆時期も休みなく診療しています。

ただ8/10(月)の午後は研修会のためお休みさせていただきます。

ご迷惑をおかけします。

8/10(月) 午後のみ休診

8/11(火) 休診日

お盆時期はフードやお薬の業者さんもお盆休みに入りますので、お早めにご準備ください。

8/10、11以外のお盆時期のホテルの予約も受け付けています。

ホテルの数に限りがございますのでよろしくお願いします。

ホテルは24時間冷暖房管理しています。

ご利用には1年以内に混合ワクチン・狂犬病ワクチン接種されていることと

フィラリア予防とノミ・マダニ予防(動物病院処方のお薬)をされていることが必要になります。

感染症をうつされないため、うつさないために必要なマナーです。

お済でない方は事前にご相談ください。

お知らせ

誤食事故

以前にもこのブログでお話しましたが、遊んでいる間に『なにか』を飲み込んでしまうことが多いです。

大事になる(開腹手術)ことが時々あります。

今朝の子は吐かせる処置で大丈夫でしたが、小さな体に靴下を飲み込んでいました。

飲み込んでしまった後はかなり苦しそうでグッタリしていたとのことでした。

『体に比較しておもちゃが小さすぎた』

『ぬいぐるみがほつれていたけどそのままにしていたため中の綿や布地を飲み込んでしまった』

『スーパーボールを投げたらそのまま飲み込んだ』

『靴下やタオルを離さない』

『ひもなど細くて長いものをクチャクチャするのが好き』

『おいしいものの入っていたビニール袋を漁ろうとする』

詰まりますと命にかかわります。

自分の子の性格とあやしい物がないか生活環境のチェックをしてあげてください神戸セントラル動物病院通信

病気について

ノミ

ノミの活動が盛んなようで、ノミがついている子が多いです。(ネコちゃんワンちゃんどちらも。)

かゆいですし、不快ですし、ノミアレルギー性皮膚炎の原因や瓜実条虫を媒介したりもします。

自分がノミにたかられていることを想像しましょう(ノ_-。)

ノミがついてからではなくて、つく前からフロントラインプラスをつけてあげて予防してあげてください

他の子にうつさ神戸セントラル動物病院通信 ないように、うつされないようにしましょう。

病気について

お昼の時間

お昼の時間の12時から16時は、

・手術

・検査(入院患者の子やわんにゃんドック検診の子の精密検査など)

・処置(薬浴、外傷処置など)

・往診

などをしています。

すべてが予約制となっていますので、当日や前日でのご予約が可能かは電話でご相談ください。

往診は検査が十分に行うことが出来ませんので、できれば初診の場合は病院に来ていただくようにお願いしています。継続治療で往診を希望される場合は、ご相談ください。

またすべての処置は、優先順位が高いと判断する患者さんから処置にあたらせてもらっています。

よって事前にお話している時間よりも遅くなる事もありますがご理解ご協力ください。

お知らせ

帝王切開

小型犬の出産は、難産なことも多いです。

帝王切開になることも多いので、出産させると決まったらかかりつけの先生と十分にコミュニケーションを取っておきましょう。 神戸セントラル動物病院通信

帝王切開で取り出した赤ちゃん(‐^▽^‐)

そろそろ生まれそうな時期の小型犬のお母さんがいると晩酌も控えざるをえませんううっ...

順調でよかったです。sei

病気について

皮膚の腫瘍

今日は皮膚の腫瘍についてお話します。

先日あるワンちゃんの皮膚の腫瘍を手術しまして,

病理検査の結果が返って来ました。

この子の出来物は左後ろ足のヒザに近い部分の皮膚に最初は4センチ大のものでした。

家族の方のお話では1年~2年前ぐらいからあったと思うけど、大きくなっているし、舐めて出血しているとのことで来院されました。

この時には、出来物が何であるかの検査(細胞診)や手術についての簡単な説明をしましたが、

13歳という年齢から家族の方はあまり積極的な方法を望まれませんでした。

検査もとりあえずは『考えます』との事でした。

身体検査から心雑音が出てきているので、『手術を行うには心機能に心配がある』との事と

『出来物はこのまま無くなることもなく、徐々に大きくなり化膿したり出血することを繰り返すので十分に相談していきましょう』と話し合いました。

それから二ヶ月ほどして

やっぱり大きくなっているし(6センチ大)、出血もするし、

本人も気にして舐めるとのことで再度来院されました。ガクリ

心雑音は6段階の4番目、細胞診検査では皮脂腺上皮種というものを疑い、

血液検査ではとくに異常は無く、胸部レントゲン検査では心拡大が認められました。

ですが、あまり手術時間が長くならなければ手術可能と判断しました。

家族の方とは、

・このままでは治らない。これからずっと出血・化膿を繰り返す。

・基本的には良性腫瘍だが、一部悪性腫瘍のように転移する可能性がある。

・心臓が悪いから全身麻酔をかけることは健常な子よりもリスクが高い。13歳だから手術が出来ないわけではない。

ということを何度か繰り返しお話しました。

このまま毎日包帯交換を繰り返していく本人の生活・家族の方の生活を思うと手術はベストですが、

リスクがあるので難しい選択だったと思います。

結果手術は無事に終わり、翌日には食事も普通にとることが出来ました。好

病理検査の結果も細胞診と同じでありましたが、

転移を示唆するものはとりあえずは出ていませんでしたので良かったです。

皮膚の腫瘍は、例え良性であっても大きくなって出血したり、歩きにくくなったりなどが出てくることもあります。

小さいうちに手術をしたほうが早く、楽にすみます。

しかし今回のワンちゃんの様に年齢を重ねた子は、

何か病気を持っていることもあるので手術するにあたって注意が必要です。汗

腫瘍

6月ですね。熱中症について

今日は、熱中症についてお話します。

気温が上がって、湿度が高まり、空気の流れが悪いと熱中症を起こしやすくなります。

ワンちゃんは汗を出す腺が少ないので、ヒトのように汗をかいて体温を調節するのではなく、呼吸の回数を増やして体温を調節します。

鼻が短い短頭種(シーズー・パグ・フレンチブル・ペキニーズ・・・)は呼吸機能に問題がある子が多いのでより注意が必要ですね。

風の通りがよく、涼しくて、日光が避けられて、水分が十分にとれる環境づくりを心がけてください。

車の中でお神戸セントラル動物病院通信留守番をさせたり、炎天下の中の散歩は決してさせないでください。足の裏もやけどします。

写真のお花は、近くに住む祖母から開院1年のお祝いでいただきました。

早いものですね。ダッシュ

初心を忘れず丁寧な診療を心がけていきます。

病気について

マダニからうつるバベシア症という病気

きょうは、マダニとマダニからうつる病気についてお話します。

先日はフィラリア予防で来院しているワンちゃんの体にマダニがついていました。

マダニが活発になってきました。

鼻のまわりや目のまわりに、”黒いイボ“ができたといって来院されることも多いです。

マダニはワンちゃん(人にも!)の体につくと、血を吸い始めます。マダニの体が吸った血液でパンパンになります。大きなわんちゃんであれば1匹のダニに吸血されても大したことはありませんが、大量に長期間、寄生されると貧血になることもあるでしょう。

神戸セントラル動物病院通信そしてマダニにおいてもっとも問題なのが、ワンちゃんの命にかかわる『バベシア』という病原体を伝播することにあります。

バベシアはマダニの吸血の際にワンちゃんの血管の中に入り、赤血球の中に寄生し、赤血球を破壊しながら増えていきます。そしてワンちゃんがひどい貧血になります。最悪、亡くなってしまうこともあります。

左の写真のピンクの丸いものが赤血球です。

その中にむらさき色のものが見えますか?これがバベシア・ギブソニーというものです。

このバベシアは、近畿地方の山野に生息するマダニに広く感染しています。

マダニは野山だけでなく、河川敷、公園、道端など、雑草が生えているところに多く生息していて、近くを通るワンちゃんやネコちゃん、イノシシ、ネズミやタヌキ、キツネなどの動物に寄生しようとします。

しかし残念なのですが、このバベシアを根治する治療薬も、感染を予防するワクチンもありません。治療薬はありますが、効果の問題・副作用の問題・再発の問題(治りません)などクリアできないことも多いのです。

特に良い治療がないものは、予防が一番大事です。

混合ワクチン・狂犬病ワクチン・フィラリア感染も良い治療が無く、感染すると症状が重篤なため予防が徹底されていますよね。

バベシアのワクチンはありませんが、マダニの吸血を防ぐためにフロントラインを1月に1回つけていただくことが予防につながります。

病気について